オンラインショップを多店舗展開する前にチェックしておきたいこと7選

multistore2

ECサイトを運営する側として、楽天市場、ヤフー・ショッピング、モバゲー、アマゾン、LINE(?)、自社の独自ドメインECといった選択肢が豊富になることは喜ばしいことである反面、複数店舗を滞りなく運営・管理していくことは、決して簡単なことではないというのが現状です。

そこで、今回は「オンラインショップを多店舗展開する前にチェックしておきたいこと」を題材に、ケース・スタディを交えながら、ポイントを整理していきたいと思います。

まず、筆者がこれまで、相談ベースのものも含めて、実際にコンサルティングを行い、システムの刷新により、業務効率化を実施したケースをタイプ別に説明していきたいと思います。

○大手ショッピングモールを横展開

楽天市場→ヤフー・ショッピング→アマゾンといったケースや、ヤフー・ショッピング→楽天市場などのように、大手ショッピングモールに複数出店していくパターン。

こうしたケースの場合は、社内での在庫管理や発注管理はそれほど難しくないかもしれません。と言いますのは、楽天市場やヤフー・ショッピング、アマゾンなどの大手の場合は、受注システムや在庫連携システムの需要も多く、連携ノウハウを持ったシステムが数多く提供されているからです。

また、大手ショッピングモールなどでは、商品情報や在庫情報に関するAPIなどを提供していることが多く、自社システムとの連携を行うための、APIの連携を行うシステムを構築することも可能になります。

ただ、実際にはAPIの連携システムの構築については、大手ショッピングモールのAPIを利用するタイプであっても、コストはある程度は必要になってきます。

仮に、APIでの連携がコスト的に導入が厳しいということであっても、CSVデータのやりとりを自動化するシステムはそれに比べて安価で可能になりますので、そうした対応も可能になります。

○大手ショッピングモール+自社ECサイト(独自ドメイン)

楽天市場やヤフーショッピングに出店した後、自社ECシステムを立ち上げたものの・・・在庫管理や商品登録管理が効率よく連携できずに困っている・・・というケースは少なくありません。

自社ECシステムの方は、安価なショッピングカートから高価なECシステムまで、また、受注管理システムも実に多様な選択肢がありますが、実際に、自社にあったECシステムと受注管理システムをASPで用意し、さらに何のカスタマイズも必要がないといったケースは非常に稀です。

つまり、独自ドメインのASP型のショッピングカートやECシステムで、コストが安いタイプのものは、仕様上、どうしても汎用性の高いものになりがちで、構築面で標準機能として用意できるところはどうしても限定されてしまいます。

逆に、高価なECシステムは構築時に、カスタマイズできる範囲は広いですが、コストは・・・といったところが、導入のハードルを引き上げているケースが少なくありません。

また、腕に覚えのある人であれば、オープン・ソースのECシステムに手を入れて・・・自分で
構築して・・・思い通りのECサイトに・・・というケースが考えられますが、実際にあった話としては、その腕に覚えのある人がその会社を辞めてしまった後は、誰もそのサイトを”触る”ことができなくなってしまった・・・という笑えない話がありました。

大手ショッピングモールと自社ECサイトの連携については、コストと売り上げ規模、在庫、商品登録管理、受注などのシステムを総合的に判断する必要があります。

○自社ECサイト+自社ECサイト

一体、何のこと?と思われる方もいるかもしれませんが、このタイプのご相談も実は、決して少なくありません。

よくあるケースとしましては、初めてECサイトを立ち上げたときが、数年ほど前で、そこから着実に売り上げを拡大し、その後、2店舗目を出店しようということになり、その際、ECサイト2つを管理できるシステムを作りたいといったケースです。

この場合は、簡単なように感じますが、実際のところ、追加で立ち上げ予定のECサイトで考えている商材が以前のサイトとは異なっている場合はまだそう複雑ではないのですが、両方のサイトで在庫情報を共有したり、商品情報などを共有する場合は、決して容易ではありません。

主に、在庫情報の一元化や受注側の混同や商品情報更新の一元化などといったところがポイントになりますが、新しいECシステムや受注システムの導入を検討する場合は、コストも含めて、慎重に判断する必要があります。

では、次にオンライン・ショップを多店舗展開する際の重要なポイントをもう少し具体的にピックアップしてみます。

○在庫の一元化

オンラインショップを多店舗展開する場合、最も頭を悩ますことになることが多いのが、この在庫の一元化についてかもしれません。

オンラインショップを多店舗展開する場合の多くは、展開する商品の数量に多少の違いはありますが、販売する商品が重複しているケースが多いです。

一元管理を行っている場合は、在庫情報は一つですから、在庫がないのに販売してしまったり、あるいは在庫があるのに、販売できていなかったりという状況にはなりません。(もちろん、それは在庫情報の自動化や半自動化のシステムができあがっていることが前提です)

在庫の一元管理を行っていない場合の問題点は数多くありますが、一番問題となるのは、恐らく、在庫がないのに販売してしまったケースです。

筆者自身、オンラインショップ運営者をはじめたころに経験がありますが、在庫に余裕があるために、在庫の数量をモール・サイトと自社ECサイトで”同数”販売してしまい、週末に大量に注文が入って・・・という流れでお客様に大変ご迷惑をおかけしたケースがありました。(メーカーに懇願して、何とか在庫を集めて最終的には事なきを得ましたが、お客様には本当にご迷惑をおかけしてしまったケースでした。)

この場合、最も申し訳ないのはお客様であるのは間違いありませんが、在庫がなかった場合は、社内スタッフもその後のフォローに大変な労力を必要としますから、在庫がない商品を大量に販売してしまった場合は、かなりのダメージになります。

多店舗展開を考える上で、商品在庫の一元化と在庫更新の自動化や半自動化は必須の確認項目と言えると思います。

○在庫の更新の自動化と半自動化

商品在庫の更新の自動化または半自動化を複数店舗で行うためには、様々な方法があります。

エンジニアの方にとって分かりやすいのは、大手ショッピングモールが提供しているAPIなどを利用しながら、ほぼリアルタイムで、商品在庫の更新が行われるというシステムの設計かもしれません。

しかしながら、この方法はコストが掛かります。具体的な数字は、案件により異なりますが、例えば大手ショッピングモール2店舗と自社サイト1店舗で商品在庫の一元化と自動更新ができるシステムを受注システムやECシステムと連動する形でAPIを実装する場合、それだけで数百万規模になることもあったりします。

コストはやや掛かる傾向にありますが、このシステムを導入すれば、在庫更新の自動化をすることができるので、業務効率化ができるのはほぼ間違いないと思います。

半自動化については、色々と方法が考えられますが、基本的な流れとしては、商品在庫のマスターとなるCSVデータを作成するシステムを用意して、それを大手ショッピングモールや自社サイトへ反映させるという流れになると思います。

ただ、この場合の問題点は幾つか考えられるのですが、商品在庫のマスターとなるCSVデータの在庫情報をどのタイミングで更新するのかということです。

ベストタイミングとしては、受注した情報が受注システム→在庫システムに情報の引き渡しが行われて、商品在庫のマスターとなるCSVデータの在庫情報が更新されるというものですが、実際には、そのタイミングで実現するのは難しいというのが現実です。

様々な理由がありますが、現実的にはショッピングモールや自社ECサイトでの注文の取り込みを行い、その受注情報を”手作業”で受注システム→在庫システムに引き渡しを行う必要があるという点が最も大きいです。

つまり、受注スタッフなどが”手作業”を行うことができないことが多い週末や大型連休などは、受注情報が在庫システムへ引き渡しができないため、場合によっては在庫が少ない商品を複数店舗で販売するということが現実的に厳しくなってしまうということになってしまいます。

ただ、受注情報の引き渡しさえ行うことができれば、在庫更新は掛けられますので、”半自動化”のようなシステムになります。

○商品登録

商品登録についても、商品在庫の更新とほぼ同様です。自社サイトとショッピングモールでの商品展開については、現在ではほぼCSVで一括登録・更新が可能になっていることが多いですが、アップロードが出来る出来ない、画像のパスを変更するなどの作業について自動化を行うときなど、商品点数が増えてくるにつれて、そのためのシステムやアプリケーションを用意する必要が出てきます。

また、在庫システムや受注システムとの連携という意味では、商品番号についてのルール作り(例えば、自社サイトで運用していた商品番号がショッピングモールではできないことへの対応)や、例えば、カラー×サイズといった同一ページ内での販売に際しての商品番号(子番号)のことなど、商品登録のためのシステムやアプリケーションを設計あるいは、導入していく必要があります。

さらに、近年はECサイトを見るための端末がPC、スマートフォン、タブレットなど多岐に別れていることから、特に自社ECサイトの設計については、フロント部分(運用部分)でどのように対応していくか、具体的にはレスポンシブデザインを採用するのか、あるいは端末ベースでデザインを用意していくのか、ということはメリットとデメリットを考慮して決めていく必要があります。

○物流システム

オンラインストアでの多店舗展開を考えた場合、効率のいい物流システムは必須です。

例えば、複数のオンラインストアを運営している場合、ショップ名(屋号)が異なっていることも少なくなく、それに伴って、発送伝票や同梱するチラシの種類、ノベルティの種類なども異なってきます。

そうした細かなロジスティックス側での対応とECシステム側の連携をスムーズに図りつつも、イレギュラー注文(受注後の修正、キャンセル)があった際の対応のマニュアル化など物流システムの運営については、きめ細やかな設計とコストを十分に意識した導入が必要になってきます。

【まとめ】

上記の他に、受注データ・システム(API連携も含めた注文への対応)、商品撮影、決済システムなど、ECサイトの多店舗展開については、まだ考慮すべき点がたくさんあったりします。

マーケティング・パートナーでは、大規模な物流システムから自社サイト及び大手ショッピングモールによる多店舗展開のサイト運用までをトータルに、また部分的にコンサルティングを行い、クライアント様のご要望・環境に応じたECサイト構築支援を行っています。

ECサイト構築・ECサイトのリニューアル・乗り換えなどのご相談については、お気軽にお問い合わせくださいませ!