日本のウェブ関連の市場規模EC、SEO、リスティング広告、CtoCなどの市場規模まとめ

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2000年をピークに崩壊したITバブルから13年、国内ではライブドアショックから7年。その間、国内外のIT関連企業では栄枯盛衰なストーリーが幾多の企業で見られましたが、市場そのものは右肩上がりの成長を続けています。

今回はその中でも、2013年現在のウェブ関連の業種ごとの市場規模を見ながら、現在のウェブ関連の市場規模の確認と今後の見通しなども筆者の独断で考えてみたいと思います。

○今後も市場拡大が続くEC(BtoC)・・・市場規模約10兆円(モバイルコマースは約1.4兆円)

経済産業省の調査や野村総合研究所のレポートによれば、2013年の市場規模は10兆円程度になるとされています。

スマートフォン・タブレット経由のECや越境EC、AR(拡張現実)、OtoO(Online to Offline)など今後のEC市場の拡大を予感させるキーワードも数多く見られます。

一方で企業間の競争も激化しており、これまで先行者利益などで競争力を維持してきた企業も、後発企業などに価格政策などを仕掛けられシェアを奪われたり、スマートフォン・タブレットへの取り組みが遅れたりなどで、シェアを奪われる企業も出てきています。

EC市場全体として拡大は続けるものの、競争を勝ち抜いていくためには、商品政策からマーケティング、物流、コールセンターなどの総合力での競争優位が必要になってくる可能性が高いと考えられます。

さらに細かい分析に興味がございましたら、関連記事「マーケターは知っておきたい!今後のEC市場の市場規模と他産業との比較、今後の有望セクターについて -」も是非、ご覧ください。

○高い成長が期待される国内クラウドサービス・・・市場規模5,000億円(2012年)

社内向けあるいはグループ会社向けの情報インフラへの投資(プライベートクラウド)が牽引する形で、市場規模の拡大が予測されるクラウドサービス。

またパブリック・クラウドも増加しており、弊社事例においても、クラウド・サービスを選択する事例が増えています。

参照/国内クラウド市場は2015年度に1兆円、2017年度に2兆円に達する見通し

○パラダイムシフトが進行中のモバイルコンテンツ市場・・・市場規模8,510億円(2012年)

2011年から2012年にかけて大変動があったモバイルコンテンツ市場。

総務省のモバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果によれば、

平成24年のモバイルコンテンツ(フィーチャーフォン)市場は4,793億円となり、前年比で26.7%の減少。モバイルコンテンツ(スマートフォン)市場は3,717億円

となっています。

モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果/総務省

○成長鈍化から抜け出せないネットオークション・・・市場規模約8,300億円(2012年)

ヤフオクやモバオクなどのネットオークションが日本でも流行しましたが、ここ数年は売り上げ低下から停滞あるいは縮小している・・・といった状況です。

野村総合研究所では、景気の低迷を理由にしていますが、筆者はネットオークションというモデルの競争力の低下が原因ではないかと推察しています。

例えば、アマゾンのマーケットプレイスのような企業が介在する形でのリユース(中古再生)、中古のマーケットが拡大した結果、商品への品質保証の担保能力が劣るCtoCマーケットが冷え込んだのではないかと感じています。

しかし、一方でLINEがCtoCによるEC事業に乗り出したり、ネットオークションに代わるCtoCとして、フリーマーケットのスマホ版とも言えるフリマ・アプリが続々と登場しています。

フリマ・アプリで有名な企業では、女子大生やOLなどに人気で、日経はじめ各紙で取り上げられることも多いFril(フリル)を筆頭に、元ウノウ社長でZynga Japanを退社した山田進太郎さんが立ち上げたメルカリ、サイバーエージェント系列の毎日フリマ、ベンチャーのLISTOR(リストア)などがあります。

ヤフオクやモバオクが低迷する中、「フリマ」などに代表されるCtoC市場がどこまで盛り上がりを見せるかは未知数ですが、リユース(中古再生)、中古市場そのものは、マーケットも大きいので、LINEやCtoCアプリの頑張り次第で、ネット・オークションから離れたユーザーが再びCtoCに回帰するような動きがはじまるかもしれません。

○需要拡大が続くコールセンター(テレマーケティング)・・・市場規模約6,517億円(2011年度)

コールセンター業務については、非常にシンプルな動きで、EC市場や各種ウェブサービス事業の拡大とともに、周辺業務として緩やかな拡大を続けています。

今後もEC市場やウェブサービス事業の拡大とともに、需要は底堅く推移するものと想定されます。

○飛ぶ鳥を落とす勢いのソーシャルゲーム・・・市場規模4,351億円(2012年)

「LINE POP」や「パズドラ」などのヒットに支えられ、前年比169%増という驚異的な成長を見せるソーシャルゲーム市場。

ソーシャルゲームとは別の切り口の市場として

スマートフォンゲーム(スマホ向けソーシャルゲームなど)の市場規模1285億8200万円(2012年)
オンラインゲーム(PCソーシャルゲームなど)の市場規模1420.9億円(2012年)

などがあります。

http://www.japanonlinegame.org/

特に、スマートフォンゲームやソーシャルゲーム市場は大きく拡大しています。

しかし、Greeが2013年の決算で苦境に陥ったり、Klabが苦戦するなど、ソーシャルゲームの開発コストの上昇と競争激化も見られています。

ただ、LINEが次々とヒットを飛ばすなど、明るい材料も多く、今後もゲーム市場の拡大は続くと予想されます。

○大手企業も続々参入ビッグデータ・・・市場規模約293億円(2012年)

IT技術の拡大と普及を背景に今後、成長が期待される事業分野の一つと言われているビッグデータ関連事業。

すでに参入を宣言している企業には東芝、ソニー、日立、電通、博報堂、オラクル、IBM、NRI、アクセンチュアなど錚々たる顔ぶれが並びます。データを発表したIDC Japanによれば、017年までは年間平均成長率37.5%で拡大し、2017年までには1,000億円市場となると予測しています。

http://japan.internet.com/wmnews/20130826/5.html

http://www.idcjapan.co.jp/top.html

ビッグデータ事業の拡大予測とともに、高度な統計学的アプローチによる分析を行うデータ・サイエンティストが必要とされると言われています。

また、筆者はビッグ・データとともにデータの分析技術や可視化技術の向上により、中小企業をターゲットにした”スモール・データ”にフォーカスしたビジネスも拡大すると思います。

○BtoBとBtoCで対照的な動きが予想されるe-ラーニング事業・・・市場規模約683億円

矢野経済研究所のeラーニング市場に関する調査結果 2013によれば、BtoC市場については、微増となるようですが、BtoB市場については微減推移を予測しています。

インターネットなどを利用したeラーニング系のビジネスは、割と昔からサービスが存在しますが、国内マーケットはそれほどの高い成長を見せているという状況ではありません。

ただ、市場規模そのものはそれほど大きく成長が予測されてはいませんが、ハーバード大学やMIT、東京大学やNHKなどがオンライン講座の拡充を進めており、今後はオンラインで”学ぶ”という選択肢はますます豊富になりそうです。

○拡大が続く検索連動広告、DSP、アドネットワークなど運用型WEB広告・・・約3,391億円
○底堅く推移アフィリエイト、ディスプレイ広告・・・市場規模約3,238億円
○広告製作費・・・市場規模約2,051億円

Google AdWordsやYahoo!プロモーション広告などの検索連動広告に代表される運用型の広告は拡大の一途を辿っており、ついに日本のインターネット広告8,680億円の約半分に至るまでに成長しました。

2005年から2012年までの7年間でインターネット広告は、ほぼ倍の規模にまで成長してきています。

参照/電通 「日本の広告費2013」

インターネット広告全体では、ECやWEBサービスの成長に牽引される形でますますの成長が予想されますが、中でも競争の激化に伴い、運用型広告の需要はさらに拡大することが見込まれます。

○ネット広告代理とウェブインテグレーション(制作)市場

ミッツ経済研究所が発表した「ネット広告&Webインテグレーション市場の現状と展望2013年」によれば、

・ネット広告代理市場・・・市場規模約5,950億円(2012年度)
・Webインテグレーション(制作)・・・市場規模・・・約894億円(2012年度)

ミッツ経済研究所のプレスリリース(日経)

ネット広告代理については、インターネット広告の市場拡大に伴って(コンサルティングも含む)、市場が拡大しています。サイトへアクセスするデバイスの多様化やウェブサイトへの集客手法についても多様化が進み、ネット広告代理への需要はさらに拡大するものと考えられます。

ウェブインテグレーションについては、景気の変動の影響を受けやすい傾向と2極化が進むという調査結果になっており、2012年の後半からのアベノミクス効果による企業と個人の景況感の改善や投資マインドの好転などにより、市場が活性化する可能性が高いと考えられます。

また、ウェブインテグレーションにおいても、スマートフォンの急速な普及による、サイト制作需要や再構築需要が高まることが予想されます。

○スタートアップやベンチャーも続々!人材ビジネス・・・市場規模約3.6兆円(2011年度/人材派遣業約3兆5千億円、人材紹介業約1,050億円、再就職支援業約275億円)

最年少上場を果たしたリブセンスジゲンWantedlyなど人材ビジネスでも存在感を出している企業が続々と出てきています。

矢野研究所人材ビジネス市場に関する調査結果 2012

派遣業界は規制の影響などから、市場規模は縮小傾向になると思いますが、アベノミクスを受けた景気拡大トレンドが2013年以降も続けば、オリンピック需要も含め、人材ビジネスは今後も見通しは明るいのではないでしょうか。

○成長予測は下方修正も、コツコツと市場は成長中の電子書籍・・・市場規模約729億円(2012年度)

マンガ関連の売り上げは業績が好調との声も多い電子書籍ですが、プレイヤーはかなり多いです。下記に大手、有名企業の電子書籍ストアを掲載しておきます。

BookLive!/honto/Reader Store/楽天koboイーブックストア/紀伊國屋書店kinoppy/BOOK☆WALKER/GALAPAGOS STORE/ブックプレイス/eBookJapan/電子書店パピレス/電子貸本Renta!/LINEマンガ/Yahoo! ブックストア/Kindleストア/iBookstore
/Google Play ブックス

参照/電子書籍ビジネス調査報告書2013/インターネットメディア総合研究所

○中国、米国では大きく成長中!共同購入サービス・・・市場規模約360億円(2012年)

クーポンジェイピーさんによれば、国内の月間売上規模は過去数年の間、横ばいの約30億円程度で推移しています。

国内共同購入サービス・サイトのまとめ

ポンパレ(リクルート)/GROUPON/シェアリー(楽天)/
くまポン/LUXA

日本では停滞が続いている共同購入ですが、中国では、2012年に共同購入サービスによる売り上げが約3,444億円、2013年は4,828億円に達する見込みとのことです。

参照/中国:共同購入サイト取引額46%拡大(2013年上半期)

日本の共同購入サービスについては売り上げは横ばいではありますが、低下してはいませんので、CtoC同様、今後、何かのきっかけで再びスポットがあたる可能性は十分にあると思います。

○流入経路分析による見直しも~SEO~・・・市場規模約272.7億円(2012年)

クロスフィニティによる2013年度版SEO市場予測によるとSEO(検索エンジン最適化)は、検索エンジン対策の効果の見直しから、2013年には市場規模は327.7億まで拡大すると予測しています。

その理由として、企業側の自然検索による流入についての見直しやグーグルのペンギンアップデート、オウンドメディア・ソーシャルメディアを意識したコンテンツ作成などを挙げており、筆者は単に集客のための手段のSEOから、これからのSEOについては、クオリティ・オブ・SEOとも言うべき、概念へと変化してきているように感じます。

○市場拡大が期待されるその他の分野

・スマートフォン・アプリ・・・市場規模82億円(2011/矢野経済研究所)
・ソーシャル・メディア・マーケティング支援・・・市場規模59億円(2011/矢野経済研究所)
・テキストマイニング・・・市場規模約25億円(2011/株式会社アイ・ティ・アール)
・ウェブメディア・キュレーションなど・・・市場規模不明(参考/出版市場規模1兆7,398億円(2012/出版科学研究所))

スマホのアプリについては、市場の拡大がかなり期待される分野で、LINEのようなビッグ・プレイヤーが今後も出てくることが予想されます。

ソーシャル・メディア・マーケティング支援については、2013年現在、facebook,twitter,google+に加え、ソーシャルブックマークの”はてな”などが支援の中心になってくると考えられます。

テキストマイニングにつきましては、アンケート分析や商品やサービスの評価分析などの膨大なテキストを分析していくことで、その中から傾向や特徴を掴み、新商品開発やサービスの改善などに繋げるというサービスになります。広義ではビッグデータ関連分野となりますが、今後ますます重要になってくると予想されます。

ウェブメディア・キュレーションの市場規模は調べられなかったのですが、AOLが買収したハフィントン・ポスト・US(推定売上50億円)やGoogleが買収した自然言語検索の新興企業waviiやシェリル・サンドバーグ率いる新生yahoo!incが買収したsummlyの他、日本国内でもキュレーション型メディアサイトのGunosySmartnewsが盛り上がりを見せています。

出版業界の市場規模は1996年の2兆6,563.8億円をピークに、2013年には、約1兆7,398億円まで規模を縮小させています(17年で約9,000億円の規模縮小!)。これは日本に限ったことではなく、アメリカでも同様で、新聞、雑誌に加え、テレビなども苦戦を強いられていまして、2013年にはジェフ・ベゾスがワシントン・ポストを買収することになるなど、次世代のメディアの市場規模が大きく変わろうとしています。

その中でもウェブメディア・キュレーションについては、市場規模については未知数ではあるものの、今後、成長が期待される分野の一つであると考えられます。

【まとめ】

ウェブ関連の市場規模をずらっと並べてみますと、それぞれの市場サイズが比較できたり、海外市場との比較上のポテンシャルや今後の成長とその課題なども垣間見えてきたのではないでしょうか。

今後の事業ドメインの考察や事業の選択と集中などの参考にして頂ければ幸いです。

マーケティング・パートナーでは、認知心理学などを利用したヒューリスティック分析から、サイト運用、物流までをトータルに、また部分的にコンサルティングを行い、クライアント様のご要望・環境に応じたECサイト構築支援を行っています。

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